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クリス・アンダーソンの『FREE』では、「競争市場においては、価格は限界費用まで下落する。」という表現に直されたベルトラン競争のアイデアが、しばしば議論の中心的な前提として扱われている。ところで、本については後日論じるとして、この競争を名付けたジョセフ・ベルトランは数学者だ。となると「ベルトランのパラドクス」との関係が気になるところである。同一人物だろうか。▼「点Oを中心に半径Rの円を書く。この円に弦を無作為に取るとき、弦の長さLが円の半径より長くなる確率はいくらか。」三通りの方法を試してもらいたい。「線分をひとつ定め、その線分と平行に弦を取る」「弦の一端を固定し、もう一端を円周上に取る」「点Oを中心にする半径R/2の円を書き、交差判定をする」確率は計算するたびに、ころころ変わってしまうはずだ。「無作為」という語の曖昧さに起因する誤謬だが、確率の奥深さを単純に表現していて面白い問題である。
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