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江戸川乱歩編『世界短編傑作集2』を読む。ふたたび四百字で雑感と行こう。▼ルブラン「赤い絹の肩かけ」荒っぽいものの、怪盗の手並みは鮮やか。グロルラー「奇妙な跡」結末が見え透いている。月並みといえば月並み。ポースト「ズームドルフ事件」情況つくりが秀逸。トリックは想像に難くなく、焼きなおすと拙くなるタイプ。フリーマン「オスカー・ブロズギー事件」倒叙推理ならではの科学追跡の楽しさ。ホワイトチャーチ「ギルバート・マレル卿の絵」探偵役の立ち回りは面白いが、トリックは少々平凡か。ベントリー「好打」好編。被害者の置かれた環境が興味をそそる。アーネスト・ブラマ「ブルックベンド荘の悲劇」つまらなくはない。しかし扉の乱歩の解説があまりに罪つくり。クロフツ「急行列車内の謎」いまひとつ。こういった完全犯罪は、現代では受けいれがたいものだろう。コール夫妻「窓のふくろう」落ち着くべきところに落ち着いたという妥当な印象。
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