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人に何か贈り物をするときに、ちょっとした季節感のあるものを添えて、言外の気持ちや風情を伝えることを「心葉」と言う。こう書いて、こころばと読む。大言海に曰く、その音の意味するところは「わがこころばせ」である。「贈物ヲこころざしトモ云フト同意ナルベシ。」▼具体的には何だったか。それはたとえば造花であったり細工であったり、綾織りの絹であったりしたらしい。大辞林には「金銀糸や色糸で作った松や梅」という記述も見える。何にしても、ほんとうにちょっとしたものだ。けっして贈り物を飾り立てようという見栄心ではない。▼心がこもっているというのは、こういう小さな気遣いのあることである。親切心というやつだ。プレゼンテーションのコツは何かとよく聞かれるが、それもひとことで言えば小さな気遣いがプレゼンの端々にあるかどうかである。技術や形式は二の次で、まずは聴衆を退屈させまいという気遣いがなければ、コツもへちまもない。
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