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昨夜、真夜中に家を出た。最後の加筆と推敲は、やはり研究室でやりたいのだ。提出期限の十時まで、仲間と一緒に慌ただしいふりをしたい。そんな気持ちである。日曜の零時近くの東京駅はあまりに人が見当たらなくて、無人の静けさがいやに新鮮だった。風邪だけひかぬようにと栄養ドリンクをいっぱい買い込んで行く。そこでついジャンプも買っていくあたり、少しだけ兆してきた余裕が見える。▼修士論文は無事提出できた。百枚以上の原稿を自分に一部、提出に二部、刷っては穴を開けて、堅いバインダーに収めて行く。出来上がった冊子は、持ってみるとしっかりと重い。その重さが実に嬉しい。集大成だ。指導教官の判を捺してもらうと、卒論のときとは比べ物にならないほど、なにかしみじみとしたものを感じた。感慨というようなものではない。不思議と、そんなウェットな気持ちではない。集大成だ、という言葉の代わりのため息に尽きる。ほんとうにそれに尽きる。
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