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新しい洋服をつくるために方々から名うてのマーケターが収集されて、デザイン発案会議が行われた。依頼者はこれまでに手がけた全ての衣類を生地別に分け、参考のためクラスター化して生地番号を図示してみせた。番号を見れば、どの生地かはすぐにわかるようにカタログも配布された。▼しかし会議が始まると、会場では発言こそあるものの、なかなか意見がまとまらない。意志の疎通がうまくいっていないのだ。弱りきった主催者があれこれと手を打っていると、クラスター上に生地の実物を貼ったところで、とうとう次々と有益なアイデアが飛び出して来たという。▼何故か。実物のあったほうがイメージが湧きやすいという単純な理由もあるが、マーケターは経験知を命とする仕事であるということが大きい。背景がそれぞれ異なっているため、情報が可視化された形で共有されていないと、同じ図から違う情報を読み取って、意思疎通を阻害してしまうことがあるのである。
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