400
Post/Edit Page
先日、速読についての記事でエミール・ファゲに言及したついでに、彼の著書『読書術』からもその意見の要点をふたつ引いてみよう。▼全編を貫く彼の根本主張を表す書き出しはこうだ。「読むことを学ぶためには、先ず極めてゆっくりと読まねばならぬ。そして次には極めてゆっくりと読まねばならぬ。そして、単に諸君によって読まれるという名誉を持つであろう最後の書物に至るまで、極めてゆっくりと読まねばならぬだろう。」速読には真っ向から反対している。▼また、数多くある本のなかにはゆっくりと読むには向かないような本もあるのではないか、という反論への答えが面白い。ゆっくりした読書に耐え得ぬ書物、たしかにそれは存在する、と認めた上で、しかし「それは正に決して読んではならぬ書物である」と彼は言う。「ゆっくり読むことの第一の恩恵――それは読むべき書物と読まれないためにのみ作られた書物との間に、最初から区別をつけることである。」
pass:
Draft