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松下幸之助『社員心得帖』を読む。あたりまえで、平凡で、よく耳にする、基礎的な仕事の心得が、易しくも強い説得力を持つ言葉で語られている。時に厳しい調子で戒めても、それがまた有無を言わさず聴くものを納得させてしまう語り口で、言葉のひとつひとつに深く感動させられる。松下幸之助が経営者の鑑として、いつまでも愛されつづける理由の片鱗を見た思いがする。▼フレッシュな新社会人にとっては、素直に受けとれば素直に共鳴するしかない「心得」たちだが、このような心掛けや心構えといった話題は、本質的に水掛け論の域を出ないところもある。故に、言うだけなら簡単だとか、現実はそう上手くはいかないとか、いろいろひねくれたことを言うことはたやすい。しかし、松下幸之助が強く戒めているのは、まさにその一言でもある。有益な助言に対して、ついひねくれた受け取り方をしてしまう、そういう心性では成功は望めませんよ、と戒めているのである。
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