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江戸川乱歩編『世界短編傑作集4』を読む。ふたたび短評群。ただし先日触れたトマス・バーク「オッターモール氏の手」は除こう。▼ヘミングウェイ「殺人者」簡素な凄味。だが淡々としすぎるあたり、読み手を選ぶ気もする。フィルポッツ「三死人」やや冗長のきらいがあって入り込みにくい。ハメト「スペードという男」ストーリーよりは、スペードという人物を愉しむ作品。クイーン「は茶め茶会の冒険」殺人とファンタジーのミスマッチ。「不思議の国のアリス」を踏まえたもの。コッブ「信・望・愛」どんな結末を迎えるかはわかりきっているのに、最後の最後まで肝心の「どうなるか」がわからない。そこが面白い。チャーテリス「いかさま賭博」やられた。綺麗にやられた。セイヤーズ「疑惑」似た作品を他に見ないでもない。飽きさせない構成の工夫が魅力。ウォルポール「銀の仮面」喩えようのない後味。心臓が船酔いしたようだ。妙味もいいが、妙味すぎてつらい。
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