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立つ鳥跡を濁さず。新四年生を迎えるまであとわずかとなったこの時期に、とうとう有志が集って研究室の大掃除を決行した。片付け、ごみ捨て、拭き掃除に留まらない、隅々までピカピカに磨き上げるべく計画した、いっさい妥協なしの丸洗いである。しかし呼び掛けに応じて集まったのは、ほんのわずかの少数精鋭、それもふだんちっとも部屋を汚さない、働き者の面々であった。そんなものだ。▼暦年の汚れは想像以上だった。黒ずんだ床にマジックリンを撒いて、ブラシで擦ると泡が浮く。降雪後しばらくの路端に残った雪のような、見るも無残な黒灰色の膠質である。モップに吸わせてバケツにつけると、湛えた水は一瞬で彩度も明度もゼロになる。そんな汚水を何十回も取り替えて、ありとあらゆる掃除用具を駆使した結果、ついに先輩鳥たちの濁し続けていった大部屋は、普請直後のような気持ちのいい姿を取り戻したのだった。さすがに気分爽快である。いい仕事をした。
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