400
Post/Edit Page
たとえば事故の現場や被災地に駆けつけて、怪我人の治療をするとしよう。薬を塗り、ガーゼを巻き、包帯をあてがう。「ありがとう」心からの言葉に嬉しくなる。ところがふと隣の人を見ると、こういうことは慣れているのかてきぱきとして手際がいい。次から次へと綺麗な治療をこなしていく――それでも、こう考える人はいないだろう。「あの人より下手だから、もうやめようかな」▼創作の目的は「観客を楽しませること」だというスタンスに立つならば、事情はまた治療とまったく同じのはずである。「楽しかった」という言葉以上に嬉しい贈り物などない。それなのにどうしても他人が気になってしまう人は、貢献とひとこと念じてみよう。目の前の観客を楽しませること、その観客と一体になって自分も心の底から楽しむこと、それだけにただただ熱中するのだ。創作は貢献である、そう観じている限り、決して他人との比較など気にならない。貢献に優劣はないのである。
pass:
Draft