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聴覚に入力された音声信号は、一定の周波数帯域ごとに分割して処理される。そのため何か大きな音が生じているときには、近傍周波数の小さな音が聞こえにくくなる。この現象を周波マスキング効果といい、聞き取りにくくなる前後の周波帯域を臨界帯域という。人間においては、臨界帯域は約1/3オクターブから1/4オクターブであり、これはちょうど短三度の音程差に等しい。▼三度以上離れた音の協和・不協和は二つの異なる周波数によるうなりによるものだが、三度より近い二音の不協和感は聴覚の分解能、即ち臨界帯域に依存している。ところで、ほとんどの動物の臨界帯域は半オクターブ以上であるが、鳥の臨界帯域についてはほぼ人間と同じであることがわかっている。したがって人と鳥では和声感が似ていることになる。小鳥のデュエットがちょうど人の耳に心地いい音程差で奏でられ、その歌がいつも美しく感じられるのには、このような理由があると考えられている。
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