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「55点法」というものがある。一昔前、トヨタでソフトフェア部門の成果を向上させるのに一役買ったと言われているシステムだ。プログラマーのオフラインドキュメント――たとえば報告書や稟議書などの提出書類――について誤字脱字などの日本語チェックを減点法で行い、そのスコアが55点を切った者のプログラムは基本的に信用しないでかかるというシステムである。結果は良好だったらしい。▼出来る限りバグを埋めこまないことは、優秀なプログラマーとしての最低条件である。誤字ひとつ、勘違いひとつで致命的なバグの出てしまうプログラムなのだから、日常使う日本語で誤字脱字が多ければ、まずプログラムなどまともに書けてはいまいというのは理に適った連想法だ。翻って、日本語能力ひいては言語能力というものは、ただコミュニケーションのツールというだけでなく、かなりの程度まで総合的に、別分野の仕事能力にも影響を及ぼしていると言えるだろう。
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