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アイザック・アシモフのノートに曰く、紀元前三十世紀頃の古代アッシリアに、子供たちの堕落を嘆く粘土板が残っているという。「世も末だ。未来は明るくない。」時代は下ってギリシャ、かのソクラテスはこう嘆いている。「近頃の子供はまったく礼儀をわきまえない。親にはふてくされ、師にはさからう。」そしてプラトンは――「最近の若者はなんだ。目上の者を尊敬せず、親に反抗。法律は無視。道徳心の欠片もない。このままだと、どうなる。」▼歴史は繰り返すという至言はあるが、「最近の子供」に関する大人たちの悲観的な風説ほど繰り返して来たものはないだろう。若い心で真っ先に時代を反映した巨大な潮流は、柔軟を欠いた大人たちには危うく見えてしまうのである。「子供叱るな来た道だ。」けれども見方を変えれば、たしかに警鐘も繰り返して来た。恐らくは堕落と戒めのせめぎあいが、いつの時代もいい按配だったのだろう。そう思うと、なんだか面白い。
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