400
Post/Edit Page
「青年の主張することはつねに間違っている。」ドイツの哲学者、ゲオルク・ジンメルはこう言っている。そんな馬鹿なことがあるかと言いたくなるのが若いうちの常で、馬鹿な未熟者だったなと思うのが五年後の常だったりする。過去の自分を恥ずかしく思うことがありふれた体験なればこそ、黒歴史という言葉も生まれてくる。今の自分もきっと未来の自分に笑われているだろうと、一度も考えたことのない人はあまりいないだろう。▼それでも今の自分が間違っていると思いながら生きるのも馬鹿らしい。振り返った系譜が黒ずんでいても、そんなこととは関係なしに未来は輝いている。今歩く足下がどうかなんて、敢えて見てやる必要もないだろう。間違っているかもしれないが、素直に思うことを言ってやるんだというくらいの、陰陽和する謙虚な傲慢さがちょうどいい。ジンメルだって冒頭の句をこう結んでいるのだ。「けれども、主張するということ自体はつねに正しい。」
pass:
Draft