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シャトーブリアンといえば、テンダーロインの中でも最も美味と言われる部位を豪快に鉄板で焼く最高級の肉料理である。私のような小市民がふつうに生活していて出会うような代物ではないのだが、有楽町の叙々苑游玄亭で食べたという話を聞いて、羨ましくも一同涎が出た。価格は130gで九千円だそうだ。「六月の賞与で行ってみようか。」そんな話になるかもしれない。▼シャトーブリアンという名前は、フランス・ロマン主義の先駆者、フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンにちなんでいる。作家でもあり政治家でもあり、同時に美食家でもあった彼が、お抱えのコックに焼かせたのがはじまりだとか。何かにつけて洒落た人物であったようだ。自伝のタイトル『墓の彼方からの回想』のセンスもいい。その中の、こんな記述が印象に残っている。「どうか私の棺は、故郷の高台へ縦にして埋めて欲しい。」空を眺めるよりも、美しい海を見ていたいから、なのだそうだ。
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