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部署の外線が目の前にある都合上、社員への生命保険の勧誘電話はすべて私のところにかかってくる。度々申し訳ありません、次は誰々様に繋いでいただけますか。営業もたいへんなんだなと思う一方、業務の回線をあまり勧誘で塞ぐのもどうかと思う。新人が捌いているからいいものの、庶務が応対していたら大した手間だ。▼その勧誘をかけてくる某生命保険会社の調べによると、老後を夫婦ふたりで難なく生き抜くために必要な収入は月額35万円だそうである。年金が今なら通常20万円強だから、この足りない15万円を保険で積み立てましょうという話だ。▼二人とはいえ月に35万も使うだろうか。隠居生活の出費もいろいろあるのかもしれないが、それにしても随分余裕のある暮らしを想定しているな――などと勧誘のあざとさを皮肉っても、やはり数字を見ると蓄えは重要だと思わされるのである。流行りのジェロントロジーも、お金のことばかりは解決してくれない。
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