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芸術新潮6月号、ルーシー・リー特集を見ていた。いつか彼女のうつわを求めて店を逍遥する連載ものを読んだので、名前と数点の作品は知っている。素朴な品の良さとでも言えばいいか、圧倒するようなな存在感こそないけれど、実用とも観賞用ともつかない凛とした姿は素直に美しいと思った。▼陶器は美術品のなかでも良さや美しさがわかりやすい部類に入ると思う。うつわなど日常に馴染みの深いものは特にそうだ。長く付き合っていれば勝手に目も肥えてくるということか。あるいは云々するべき点があまりないからかもしれない。色と形あるのみという簡明さが、深みと軽さとを両立させている。▼ただしうつわは写真で見せられてもいまひとつわかりにくいことはある。たとえば溶岩釉の作品なんかは、やはり手触りと一緒に楽しんでこそ。表面の接写を見せられても、自然で有機的な泡のならびがだんだん何かの模様に見えてきて、あまり気持ちよくはなかったのである。
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