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ある先輩が数年前、新人として会社に入ったときのこと。特別な事情もあって、彼は新人が分担するべき機材管理をほとんどすべて一手に担うことになった。それからというもの朝から晩まで、あれをくれ、これをくれとひっきりなしに呼び出されては機材を運び、あれがない、これが少ないと理不尽に怒られる毎日。理想と現実のギャップは大きかったという。▼失意に過ごした数カ月の後、あるとき積み上げられた機材の山を見て、心に抱いていた理想のキャリアプランを思いつつ、彼はふとこう考えた。「自分の夢はディレクターだ。ディレクターは意志のある人間を管理する立場だ。それなのに意志すらない「物」も管理できなかったら、俺は確実に人なんか管理できるようにはなれない。」そうしてあまりにも多忙な初年度を直向きに乗り切った彼は、いま異例の若さでチームリーダーを務めている。こういう思考の転換ができる人は、それなりの立場についていくものだろう。
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