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犬に比べれば、人は圧倒的に鼻が利かない。何故か。ひとつ、ダーウィニズムに則った面白い考え方ができる。▼自然の生活で、匂いが残るのは主に地面である。多くの動物がそうしているように、匂いの追跡はふつう地面を這うことで行われる。しかし人間は二足歩行をするために、顔を地面から遠ざけなければならなかった。このとき、鼻のいい個体と鼻の悪い個体は、どちらが速やかに二足歩行へ進化したか。恐らく後者に違いない。鼻のいい個体は地面が気になってしまい、いつまでも地べたを這っているうちに、やがて進化した「人類」に淘汰されてしまっただろう。▼もちろん真実はわからない。しかし筋は通っている。何かが「ない」ことは素晴らしいことだ、それは確実にチャンスなのだ――私はいつもそんなふうに言っているが、なかなかピンとは来てもらえないところへ、この話は都合がよさそうである。能力のあるものは、しばしば余計なことにかかずらっている。
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