400
Post/Edit Page
大学卒業以来初となる恩師の誕生日会へ、代官山まで夏の甘味を提げていく。相変わらずよくよくデザインされた街並みで、駅前などは改めて観察すると、土地の起伏を上手につかってオシャレな作りに仕上げてあるなと思う。すぐ近くの渋谷とも表参道ともまったく違う独特の空気が漂っている。喫茶店でしゃべっているだけの人々が、誰も彼もクリエイティブな人に見えてくるような錯覚だ。▼現金一括で買ったという伝説の今も生きる、云億の邸宅へ入る。六十五歳になる教授は表向きこそすっかり好々爺になったものの、口も体も至極健啖。ふとした近況の会話から、横道に逸れた先の汲めど尽きせぬ「雑談」を、五十の社長も二十五の新人も、皆学生時代に還ったような気持ちで聴く。こういう強力なリーダーシップを持つ人の帝王学で後継者は育っていくのだろう。自分の誕生日を、義理でも惰性でもなく、毎年必ず参加したい「パーティー」に仕立て上げている凄みである。
pass:
Draft