400
Post/Edit Page
味の素で一躍有名になり、今も「うまみ成分」として広く知られるグルタミン酸。鏡像異性体としてDグルタミン酸とLグルタミン酸があり、人間にうまみとして感じられるのはLグルタミン酸だけである。自然物に含まれているのはすべてLグルタミン酸だが、人工合成で作られるものはDとLがそれぞれ半分ずつ。しかも正確には、アルカリ溶液で中和したグルタミン酸ナトリウムである。調味料と自然物では、やはりいろいろ違う。▼栄養素のように語られることもあるが、実際には摂取する必要はまったくない。脳内の神経伝達物質であることから、頭のよくなる栄養素としてもてはやされたこともあったが、もちろんそんなこともない。GABAのときにも取り上げた脳の関所「ブラッドブレインバリア」が全部弾いてしまう。脳内に存在するグルタミン酸は全て脳内のグルコースから合成されたものだ。美味しくてしかも頭がよくなるなんて、そんなうまい話はないのである。
pass:
Draft