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新人研修ではスーツ姿のまま通路のソファーで爆睡し、課題ではあまりに破天荒な解答で経営陣まで困惑させ、配属後の歓迎会では酒に酔って他の客に絡み(上司が平謝りに謝ったという)、二年目になってからは後輩をバーに連れまわし、自分はぐでんぐでんに酔いつぶれて後始末は後輩の世話になる――そんな鳴り物入りの「問題児」がこの夏長期休暇を取っているというので不審がられていたが、いつの間にか先月末付けでの退職が受理されていたようだ。▼他を圧倒する存在感があっただけに、どこか風の通るような感じである。とくべつ個人的な干渉があったでもなし、さびしいわけでも物足りないわけでもないが、彼をめぐるざわざわした感じがなくなることに、やはり喪失感があるのである。誰しもトラブルはごめんだといいながら、身近に立っていた波風が急に穏やかになれば、やはりそう思うものらしい。良しも悪しも表裏一体、存在感というのは不思議なものである。
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