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お風呂の栓を抜くと、最後の水が流れていくときに渦ができる。北半球なら時計回り、南半球なら半時計周りにできるものだと、しばしばコリオリ力をもって説明されるこの渦だが、家庭内にあるような小さなものに及ぼされるコリオリ力は微々たるもので、実際にはほとんど関係ないと言ってよい。体が浸かっているときに半時計周りの回転が湯にかかっていれば、その角運動量によって反時計周りに回ってしまう程度のものだ。▼けれどもより大きな要因は別にある。即ち浴槽で栓を抜くと渦ができるのは、渦ができたほうが排水が早いために、もとより渦を起こすように設計されているからである。どうして排水が早いかは一升瓶に水を入れて逆さまにし、流しでぐるぐる回してみるとわかるだろう。この設計の規格が統一されていれば、回転方向も統一されるというわけだ。栓を抜くときの初期回転よりも設計が勝っていて、半時計周りに回そうと頑張っても回らない浴槽もある。
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