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讃め殺しという言葉がある。徹底的に讃め倒して、かえって相手にバツの悪い思いをさせるようなときに使う。しかしこの言葉に「殺す」という文句が使われいる事情には、なかなか深刻なものがあると思う。讃め過ぎることは、即ち殺すことなのだ。多くの倒産したベンチャー企業もいちどは軌道に乗っている。軌道に乗ったところで経営の才能や洞察力や実行力や人柄や――方々から、文字通り讃め殺されている。▼「才能というものは、ほんとうに人間が育ってくると重荷になるものだ。楽に使った自分の才能が楽に使えなくなるものだ。そういう時機が必度来て才能とは何物であるかを教えてくれる。この時機を知らない人は、自分の才能に食われて終る。」才能は飼いならすものだ。飼いならすには人の毀誉褒貶など役に立たない。「まだそういう経験を知らぬ人の才能をあまり讃め上げることはよいことではない。然し世間は讃める事によっても人をいじめるのかも知れぬ。」
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