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とにかくはやく結果が欲しい――早期出世を目論む新任マネジャーは必死である。けれども成果を出すことに躍起になればなるほど、成果は遠ざかっていくものだ。このようなパラドクスは特にクイックウィン・パラドクスと呼ばれている。▼「隘路に入り込む」「批判を否定的に受け止める」「威圧的である」「拙速に結論を出す」「マイクロ・マネジメントに走る」ある研究によると、この5つがパラドクスに陥る主な原因だそうだ。どれも焦る人の狼狽えた行動に見える。もうひとつくらい追加してもよさそうだ。「自分にはひとつもあてはまらないと言い張る」▼かりかりしないことだ。かりかりするから視野は狭くなる、謙虚さはなくなる、威嚇的になる、浮き足立つ、大掴みにものが考えられなくなる。こんな具合に処世訓的言辞へ言い換えられるあたり、実はパラドクスでもなんでもあるまい。のんびり屋が巧くやっていくのと、正直者が馬鹿を見るのを混同してはならぬ。
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