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プロトタイプの上にものをつくることは、プロトタイピングという手法においてもっともやってはならないことである。完成版はプロトタイプの横につくらなければならない。試しにつくってみたものを基礎にするなど、とんでもないことなのだ。よく管理されたプロジェクトであれば、α版のコードは一行たりともβ版には引き継がないだろう。コードは事実上破棄されるのが通常である。▼とりあえず動いているように見えるものを補強していけば、いずれ完成品になるというのはありがちな幻想である。しかしその幻想に、私もまた知らず掛かっていたことに気がついた。大雑把な構成と展開を見積もるためにつくった曲の「α版」が、遅々として進まなくなっていたのである。それなりに聴けるからという理由だけで、いつの間にか骨子になっていたのだった。試行錯誤に時間はかけてしまったが、惜しい気持ちは仇になる。見通しという収穫を手に、白紙の二週目をはじめよう。
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