400
Post/Edit Page
1つの大災害の背後には29の軽い事故があり、そのまた背後には300のニアミスがある。この1:29:300の比率は、災害防止のグランドファーザー、ハーバート・ハインリヒにちなんでハインリヒの法則と呼ばれている。一見すると「小さな異常を無視するな」という、極めて常識的なメッセージに見える法則だが、その意味するところはもう少し深刻だ。▼どんな異常も大災害の種になる。それはもちろんだ。しかしハインリヒがことさらに指摘しているのは、軽微な異常は確率的に災害へ発展するというよりも、平均して300の異常が集まったとき、恐らく大災害は起こるべくして起こるのだという統計的事実だろう。パチンコではない、スタンプカードのようなものなのだ。ヒヤリ・ハット・スタンプを300個集めると、もれなくハザードがやってくる。だからこそ、異常は異常のうちに、事件は事件のうちに潰さなければならない。そういう明確な警告なのである。
pass:
Draft