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研究室の泊まり時代、持ち込んで世話になったのは枕よりも急須である。緑茶に目がない私は、眠気覚ましと飲料代節約の一石二鳥でほくほくしていた。徹夜を理由にいくらでも飲んでいいんだと、言い聞かせていた節さえある。気がつけば一晩で二リットルもあけていた。空焚きのポット。眠くならないわけである。▼急須は置いてきた。今ごろ誰かが粗茶で使っているかもしれない。もちろん、私のこだわり高級茶葉は引き上げた。こんどいよいよ会社にも、ひとつ急須を持って行こうと思う。自動販売機の無料茶はあるが、いかんせん質がよくない。われながら贅沢を言っているが、それくらいの贅沢は許されてもいいはずだ。▼ついでながら枕よりもと書いたものの、実は枕など持ち込んだことはなかった。いつも板敷の机をならべた上で「週刊ジャンプ」を枕に寝ていた。そう思えば仮眠室があるのはありがたい。ありがたいが、しばらくは椅子の上で寝る。まだ気安さが勝つ。
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