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野菜の中で何がいちばん苦手かと聞かれたら、私は文句なくトマトである。ところがトマトソースは好物だし、ピザに紛れているようなトマトならいける。フレッシュトマトカレーは松屋の最高傑作に違いない。頷いてくれる人も少しはいるのではないだろうか。こういうところが、たぶんトマト嫌いをわかりにくくしている。火が通って、どこかからトマトはトマトじゃなくなるようだ。▼同じことが魚にもある。昔からずっと生魚が食べられなくて、寿司屋へ行くたび苦労していた。ボイルしたエビと穴子、玉子やいくらで食べつなぐ。涙ぐましい努力である。マグロやトロなど人がおいしそうに食べてるのを見ると羨ましいと思うのに、いざ自分が箸にひっかけて眺めていると、絶対に口へは放り込めないという気がする。脳が食べ物だと思っていないのだ。それではぎりぎりの線はどうかと炙りトロに挑戦してみたが、なんともいえない気分がした。味を見ている余裕はなかった。
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