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長い文章を締めくくるための、短くて印象的な言葉を「感嘆結語」という。結びとしては洒落たもので、手紙や演説には付きものだ。緩んだ読者の注意を覚ます、文末に添えられたビックリマーク。”exclamatory sentence”である。▼言葉はギリシャ語のレトリック用語「epiphonema」を訳したもので、もともとの意味は「気の利いた言葉」。巧い文章は例外なく気が利いているものだ。ささやかな気遣いとして、込み入った話に簡素な要約を与える目的で使われることもある。優れた結語は立ち所に、難解な主張を合点の行くものにしてくれる。▼小説の冒頭には行く末の全てが暗示されていなければならないとポオは言う。その筋で言うなら、擱筆にはすべてが凝結されていなければなるまい。広げた風呂敷の中身を包み損ねないように、鏤めた大小の主張をひとつひとつ拾いあげていく。そのうち込み上げてくる感嘆があるだろう。抜かりなくやれば、それがしぜんと結語になる。
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