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不運や不幸に沈んでいる人へ、叱責や評言を与えるのは意味がない。素直にそれを受け入れるだけの余地がないからだ。痛みに耐える人間は「それどころじゃない」ので、何を言われてもかえっていらいらするだけに終わる。自分が悪いのはわかってるけど、いまはとにかく痛いんだ――そういうことがわかっていないと、よかれと思ってかけた言葉もただ反感を買ってしまう。▼「幼児が転んだ時、乳母は駆けつけて叱りはしますが、まず抱きかかえて汚れを落としてやって、着物をきちんとしてやって、それから叱りつけ罰を与えるでしょう。」ほんとうに相手のことを思うなら、つらいときにはいたわりがなければならない。そういう言葉が反射的に出てくるはずである。人の失敗と、その良からぬ結果につけ込んで、もっともらしい教訓譚を言う人は、おせっかいですらない、ただの独りよがりなおしゃべりだ。よく見分けてみよう。「だからあのとき、そう言ったじゃないか。」
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