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地震、雷、火事、親父。自然災害で恐ろしいものを語呂の良いようにならべた、日本人にはそれなりに馴染み深いフレーズである。一見して台風がないのは不思議なことで、その不思議さからか、親父は「大山嵐(おおやまじ)」の変化したものであるという説も現れたが、民俗学や語源学でも議論された挙句、これにはまだ決着がついていない。もっとも水害も入ってないところを見ると、すべての災害をならべようと言う意図はなくて、たんなる古人の洒落だったのかもしれぬ。▼ともあれ日本人にとって、地震こそもっとも恐ろしい天災であることに変わりはなかっただろう。ハリケーンの被害は風速の三乗に比例するが、いくら三乗が強力な増幅でも、地震のもたらす被害は非線形である。まったく無事かもしれないし、あたり一帯が全壊するかもしれない。いつ来るかもわからなければ、揺れたあとどうなるかも見当がつかない。不安感は抜きん出ている。不可知の恐怖である。
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