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頭の中で想像する取り留めのないぼんやりとしたものを、日本人はイメージという言葉に託しすぎている。そういう話を見た。和製英語の罠に嵌っているわけだ。そう思って我と我が身を振り返ると、たしかによくイメージという言葉を使っている。そのほとんどは英訳しても"image"や"imagine"にはなるまい。ほかにどうとでも言える。▼英語ならいくらでも言いようがあるものを、母国語たる日本語でいつもイメージと書いている。そうして意味がぼけている。たくさん書けば書き慣れると言うが、こういうのは明らかに悪い慣れだろう。習慣の恐ろしさを感じる。▼菊池寛は小説家を志望する若者に、少なくともひとつ以上の外国語に精通せよと助言をした。現実的・具体的・効果的と三拍子揃えているところ、今も昔もこれに勝る助言はないと思っている。しかしこうして母国語の妙を忘れるようでは本末転倒だ。自分の国で異邦人にならないよう、行ったり来たりした方がよい。
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