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箱根にある美術館で、絶えず人のあふれる名所があるという。美術館内部の一角に大張りのガラスがあって、そこからはるか足元に望む芦ノ湖の景色が素晴らしいのだそうだ。なるほど、つまり人だかりは美術館の展示品に出来ているわけではない。▼そんなことでいいのかという危惧が当事者たちにあってもいい。しかし美術品で集客するのが美術館の本分とはその通りだが、内部に見晴らしのよいスポットを設けて人を集めるのもまた戦略である。誰が後ろ指をさせるだろうか。建物のロケーションを利用した付加価値で、ひとりでも多くの来訪客を集め、彼ら彼女らに満足して貰えるなら観光スポット冥利につきるではないか。誰も損をしているわけではない。▼芸術家の本懐が芸術の素晴らしさそれ自体を認めてもらうことだとしても、付加価値をつける努力を怠る理由にはならない。見向かれもしないで消えていくのが末路である。できる工夫はすべてしよう。話はそれからだ。
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