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初心のうちはひとつでも多くのデータを覚えていくことが最良である。少なくとも最速である。ところがこういう話になると途端に方々から悪態が出る。曰く、いちばん大切な流れを理解しないで物だけ覚えていくなんて、何のために勉強しているのか。そんな勉強ならしなければいい――暗記の忌避、理解の崇拝。彼らにとって博覧強記などということはもはや軽蔑の対象でしかないらしい。星座の中に位置づけなければ星の光など意味をなさぬ。そんなことさえ言い出しそうだ。▼けれども初心の人にとって、流れというのは説かれてわかるようなものではない。わかるとしたら、それはやはり流れを暗記しているに過ぎぬ。時に相矛盾する素材を集めて煮詰め尽くした先に、ようやく見えてくるのが線であり流れである。やがてそれが空間的に展開することもあるだろう。点から描き出すのがすべてのはじまりなのだ。点の美しさを忘れてしまった人間に、線など紡げるはずもない。
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