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小さな子どもがテレビ越しに野球のホームランを見るとき、彼はたぶんそのホームランが試合に与える影響など知らず、ただバッターをかっこいいと思うだろう。もしかしたらそれは大量得点の後釜で、大人の観客たちは終わらない攻撃にうんざりしているかもしれない。大差負けの九回裏に放ったやけっぱちのソロホームランかも知れない。それでも、そんなことを彼は知らないだろう。眼をきらきらさせている。▼大人になるにつれて、単純にかっこいいことを成し遂げた人に憧れを懐いたり、かっこいいと思うことが難しくなってくる。成し遂げた結果の後ろに、いろんな意味の厄介事が纏わりついてくる。そういう意味ばかり追いかけている人々が大挙してやってくる。「凄い凄いというけれど、君は本当に意味がわかっているのか?」そうして何がどう凄くないかの解説が始まる始末だ。放って置いてくれないか。人の感動に茶々を入れるのは、例外なく野暮というものだろう。
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