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正宗白鳥の本をいつか読もう、読もうと思いながらとうとうひとつも読まずに来た。しかし『文学よもやま話』を読む限り、やはりこの人は私の好くような何かを持っている人間らしい。今まで以上にそう思うようになった。たまたまアマゾンで高額な本を注文するついで、とうとう意を決して『作家論』を一緒に注文してみたのである。小説じゃないのは気分に過ぎない。講談社文芸は馬鹿に高くつく。▼どんな文章を書くのだろう。楽しみにしている。それにしても驚くのは、あれでなかなか現代好きだということだ。「今の方が面白いでしょ? 今の日本の政治の……なにもその人がそれほど偉くなくても面白いし、それから自分の周囲の人のことの方が面白いもんな。昔の徳川時代だの、紫式部時代にこうこうだったッてなこと……それより今のある人間の、周囲にあることの方が、大抵の人に面白いでしょ?」まさか正宗白鳥の言葉に、行過ぎた懐古趣味を反省させられるとは。
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