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セカイカメラで火がついたかに思われた拡張現実は、いっとき影をひそめてしまった。なぜ流行りきらなかったか、デバイスの普及率が悪かったためにタグの密度が薄すぎた、拡張現実側から現実に干渉する手段がないため飽きるのが早かった、などなど様々な揣摩臆測がなされたものの、決定打はない。「私は単純に……だと思う」式の言説がどれもこれも物足りなく見えるあたり、複雑かつ複数の要因があるのだろう。▼それでも日の目を見る可能性はある。3Dテレビや3DSをはじめとする3Dブームは衰えていないし、拡張現実を表現するための表示技術も、2010年だけで相当進歩した。動画を見ると驚くほどである。拡張現実という言葉を聞くようになったばかりのあの頃から比べれば、まったく別物だと言っていい。「見晴らしの数だけ街がある」とかつてライプニッツは言っていた。これからは「拡張現実の数だけ街がある」とでも言うようなことになるのだろうか。
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