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原典主義か、解説主義か。コーディングにおける諸文法の如く、既に宗教の域に入りつつある話ではあるが、依然としてこれらの相反する作品への態度は存在している。どちらでもよいという折衷主義もまたひとつの主義なので、あわせて三者三様の鼎立状態というわけだ。▼今はそうでもないが、昔の私は若干原典主義寄りであったと思う。哲学などは特にそうで、初見の分野でも解説書から手をつけることはきらい、原典を読むことが多かった。もっとも外国文学は原典でなく訳本で充分と信じていたのだから、体のいい折衷主義だったかもしれない。▼解説主義もまた是と思うようになったのは最近のことだ。何々は甲が最高、乙は亜流などと言われていても、それは一流人から見てそうなのであって、経験少なく才劣れる身には卑近なところから世話になった方がよいこともある、そういう謙虚さが出てきたことで、広汎な勉強が出来るようになったのはいいことだと思っている。
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