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創作はすべて自分のやりたいようにやればよいと悟りきった大器の芸術家はさておき、良心的かつ成長途上の創作者はしばしば「どうしたら自分の作品をもっと楽しんでもらえるだろう」ということを考える。そうして「ユーザーのために」あれやこれやをしてみようと思い立つ。▼しかし、この「ユーザーのために」という言葉は曲者である。ほとんどの場合、これはユーザーフレンドリーに偽装した自己満足に過ぎない。この枕詞を置いてみたところで、創作にはなんの制限も加わらないことに注意しよう。依然として、後には何でも続けられる。「ユーザーのために、ここのデザインは徹底的にこだわろう。」▼見る人聞く人を楽しませたいという思いを作品の内に実現するには、ユーザーの「ために」ではなく、ユーザーの「立場で」考えなければならない。ここにこだわられてどうだというのだろう、という疑問を自ら差し挟めてこそ、真に「ユーザーのために」なるのである。
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