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人は膨大な利益を実際より過大評価する傾向があるという心理学的仮説を根拠に、競馬で穴狙いが好まれる理由を解説している本やサイトをしばしば見る。ほんとうにそうだろうかといつも思う。そういう要素もないではないが、本当の事情はもっと現実的かつ数学的な事情ではないだろうか。即ち「投資可能な手持ちの金が限られているとき、純粋に穴狙いの方が回収期待値が高い」のだ。▼競馬の第一控除率は18%である。これだけ聞くと宝くじよりもずっと割のいいギャンブルに思えるが、競馬は当選した金額を次の週に賭けることができる。この再投資の回数が増えると、再投資の回数だけ82%が当選期待値に乗算されることになり、最終的な回収期待値はどんどん下がっていく。したがって小銭を当てながら再投資を繰り返すよりも、始めから捨てるつもりの金で稀に大当たりを拾っていく方が、当選金を注ぎ込んでいない分だけ再投資のリスクを抑えられているのである。
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