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いままでかつてないほど真剣に「名前」のことを考えた。いまもまだ考えている。ほんとうに骨の折れる仕事である。会社や子供に名づけるのはこの比ではあるまいと思うと、そういう折に当事者たちが衰弱しきってしまうのもわかる気がする。言葉のルーツを探ってみたり、語感の良さを比べてみたり、縁起をかついでみたり……。▼面白いのは、これはいい造語を思いついたと思うとき、語呂のいいものはたいてい誰かがもう考えているということだ。なるほど、日用語に根差したバリエーションは探索しつくされている。一味も二味もひねりを加えなければならない。▼定型に堕するのは致命傷、けれども多くの人にわかりやすく理解され、語感も、視認性も、意味もよくならなければいけない。なんという無茶な要求だろう。新商品が出るたびに贈る言葉を捻り出すコピーライターの苦労が少しだけわかる。こういう真剣な語探索をするのは、つらいはつらいが、実り多くていい。
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