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「ビジネスのセンスというのはね、皆で具材を持ち寄る鍋の席に、ネギではなくパイナップルを持ってくる、そういうセンスなんだよ。」こんなことを言ったコンサルタントがいた。聞いたとき、なんだかよくわからないことを言うな、と思った。それなのに今の今まで覚えているのは、どこか頷けるところがあるからかもしれない。▼「ビジネスはセオリーではない。」暗示めいた言葉の真意をこう推してみる。儲け話という鍋の席――世の中は、とにかくネギに溢れているのだ。ネギ、ネギ、ネギと来て、次は何を入れようかというそのときに、旨い旨くないに関わらず、もうネギなど見たくないのである。「パイナップルなんか持ってきたのか、お前。」▼美味しいかどうかは食べて見なければわからないが、ネギに嫌気の差した頃、パイナップルならぎりぎり鍋の中には入れてもらえるような気がする。参加できるのである。はじめの一歩を踏み出せるという一事が、大事である。
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