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新人一年の総決算として、もういちど短い研修がある。内容は代わり映えのしないマナーやグループワークだが、部署が別れてしばらく会うことのなかった同期と顔を合わせる貴重な機会でもある。ほんとうに研修で別れて以来、見ていない顔もいるだろう。▼しかし哀しいかな、参加者名簿の最後に振られた数字は、入社当時にいつも耳にしていた新人総数の数字よりずっと少ない。博士を取りに大学へ戻った者、人間関係が上手く行かずにいつしか会社に来なくなった者、あまりの激務に耐え切れず辞めた者、会社に失望して起業した者。未来はそれぞれである。▼たかだか二十の半ば。どんな選択が正しいかはわからない。新しい世界に飛び出したい気持ちを抑えこみながら、鬱々とルーチンワークをこなして安定した日々を得ることが、今の自分には必要かもしれないし、そうでないかもしれない。ただひとつ、仕方がないと自分に言い聞かせることだけはしたくないものである。
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