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人材には大きく三種類あるという。ばりばり仕事が出来、会社に利益を生む「人財」。マイナスにこそならないが、給与を払えばプラスにもならない、ただそこに居るだけの「人在」。まったく利益を生まず、かえって居るだけで会社に害を及ぼす「人罪」。困ったことに、どれも一様に人材と呼ばれている。▼企業が「人財」を求めていることは言うまでもない。居ても居なくても変わらないトントンの存在は、見せ掛けの巨大さを繕うにはいいが、企業がそのぶん複雑化している点はマイナスである。そうして、かつては給料泥棒と呼ばれ、今はぶらさがり社員とも呼ばれる「人罪」をどう裁くか、経営者はいつも頭を悩ませている。▼ところが居なくなるのはいつも人財が最初なのだ。次に人在が人知れずいなくなる。人罪だけが最後まで残る。分に合わない恩恵を受けているのだから、残りたいのは当たり前だろう。永遠に合わぬ雇用者と被雇用者の利害のジレンマがそこにある。
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