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サントリーの響・17年が届いていた。かなり前に注文した品だが、ようやくである。冷凍庫の底に残った氷をつまんで、グラスに注いで風呂の中に持ち込んだ。人のいない仕事場、満員の電車、終電後のホーム、遊歩道の寒風、暗い家。そういうつらさを、みんなまとめてくつろぎのカタルシスに変えてくれる。庶民らしい贅沢である。▼こだわりがあるわけではないが、はじめて飲んだときからオン・ザ・ロックで、水割りはしない。洒落たロックグラスを使うでもなく、紅茶を飲むような別用の細いグラスに、冷蔵庫附属の製氷機で乱暴に固めた氷をがらがら、そこに原酒をかけて飲む。それだけである。愛酒家の人にはあまり見せられない。▼といって、酒なんて自分がおいしいと思う飲み方で呑めばいいんだ、他人がとやかく言う筋合いはない、というような、食と嗜みの唯我独尊もあまり好きではないのである。ただ筋を通す面倒さが、私に杜撰な飲み方をさせているだけだ。
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