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傷口に消毒液を塗ると治りが早くなるとか、運動前にストレッチをすると怪我をしにくくなるとか、どこで誰が言い始めたのかわからないが、広く知られ実践されるようになってしまった迷信というものがたくさんある。それはときどき、あまりに真実らしく語られすぎて来たので、迷信と言い立てる説のほうが迷信なのではないかと疑いたくなるほどである。「いや、一概に迷信とはいえない側面もあってね……。」▼人間の脳にはプラシーボ効果というものがあるので、なんでもかんでも疑ってかかるよりは、ひたむきに効き目を信じて縋っているほうが、外傷や心の病も治りやすいということはたしかにあるので、二言目にはお守りの科学的効果を云々することほど科学に理解のない話もないのだが、そうは言ってもまた胡散臭い託宣を無批判に受け入れてしまうほど動物的な盲目もない。何を信じて何を信じないか、それを決めかねる難しさが「不安」と呼ばれるものなのだろう。
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