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世の中はライト化したと見せかけてへヴィ化している。テキストが絵になり、絵が音楽になり、音楽が動画になっていったウェブコンテンツの事情は、綺麗にその傾向を説明している。ライト志向と呼ばれるものはコンテンツのライトではなく、享受するスタイルのライトなのだ。与えられる情報量が多いということは、それだけこちらで物を考えなくてもよいということだからである。▼面白いのは、かつて作者によって記号化されたものが、ふたたび作者自身の手でデコードされている現状だ。漫画にしろ電子音楽にしろ、もともとはリアルな世界で存在していた情報を、表現の形式や要求にあわせてデフォルメし記号化したものだった。そういう世界で積み重ねられてきた技法を駆使して、今や必死で「よりリアル」にしようとしているのである。デコードは読者の仕事ではなくなったのだ。それが想像力の欠如なのか、想像力に頼る必要がなくなったのか、判断する術はあるまい。
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