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複数人が集まってひとつの事前に定められたテーマを共有し、各々がそのテーマにしたがって作品をつくり出す「合同作品」や「合同企画」は、ある程度の規模のものを小さな負担で生み出せるという生産の組織論的な側面もあるにはあるが、それだけではなく参加している個人のスキルアップから見ても、かなりよい側面があると思う。つまり、しぜん持ち味に艶が出る、ということだ。▼それなりの人数が同じ主題で書くのだから、自分にそれなりの個性があると自負する作者であれば、出揃っていてそこに似ているものがあって欲しくないという心情が起こるのは当然だろう。そこで、ふだん自分ひとりでやっていると、どうしてもそこへ吸い込まれてしまう「全体的によくまとまった作品」よりも「自分の色がよく出ている作品」を目指すようになる。独自の雰囲気を絞りだそう力が働くわけだ。交換可能な物が存在しかねない場でなければ、なかなかできない貴重な練習である。
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