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不要な文章なら削ればよいし、不要な音なら鳴らさなければよいが、デザインにおいて不要な要素はいつも削れるとは限らない。例えばタイトルの文字列があらかじめ定められているとき、表示領域がどんなに窮屈でもそこに詰め込まねばならぬ。「せめてこの三文字がなければよいのに。」▼こういうとき、余計な要素をなんとかまわりに馴染ませようと苦心するのは嵌る道である。大原則として、「無くてもよいものは無いに越したことはない」のだ。浮いた三文字をどう自然に見せようとしても、絶対に上手くはいかない。違和感が消えることはないだろう。では、どうすればよいか。▼最良の方法は、調和を諦めることだ。つまり、もっと浮かせるのである。これがあるおかげで面白いよね、と思わせるようなアクセントに仕立て上げることで、「無くてもよいもの」を「無くてはならないもの」に変えるのだ。違和感を妙味として利用する。これこそ優れたデザインの技である。
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